"えー、学校帰りに肉まんもいいけどさぁ、俺だったら恋人とはピロシキ食べに行きたいな" そう呟いた、高瀬の言葉だけは私も覚えていた。 ねえ、高瀬。明日はおいしいピロシキの売っている店に行こうか。 私、高瀬の一番好きな食べ物がピロシキだってこと、知ってるんだから。 私は高瀬の手を、ほんのちょっとだけ強く握った。 そんな、とある雪降る日の帰り道。 *END*