さっきまで、冷たくてしかたなかった私の頬が、じわりと熱くなっていく。





私は、下り坂を思いっきり駆け出した。



風が、長い髪をなぶる。




高瀬が、驚いたように「えっ、ちょっ、はぁっ!?」という声を上げながら追いかけてきた。




けれど私は走り続ける。






高瀬に、緩んだ口元をみられないように。