冷たい風が、急速に私の頬を冷ましてゆく。 「雪・・・・」 私は思わず口に出だしてつぶやいた。 ふわり、とわたあめのカケラのような大粒の雪が、手のひらの上でじわりとにじむ。 あぁ、雪が降ってくる前に家に着きたかったな。 「うわ、雪だ!これは明日積もるんじゃない?」 「かもね。」 できれば、積もってほしくはない。 今度は肉まんを食べながら歩いているせいか。 さっきより歩調をゆるめて、私の隣を並んで歩く高瀬。