俺は雪の上でしばらく放心状態のまま突っ立っていた。




だからと言ってどうすればいい。




あいつらがどこに行ったのかも分からない。




また.....振り出しに戻ってしまった。






怯えたあの斗真は、
高校生の時のままの純粋な斗真で。



その子を『青』としたら、




きっと、彼女を連れ去っている、彼は




『赤』の斗真。




真っ赤な血のようにドロドロな彼の心は、彼女を思う続けたのち
彼女を欲しいと願う。








「.....赤い...足跡。」





玄関から続く赤い物は

雪の上を点々と通り

俺が止めていた車があった場所で消えていた。





足の指の形が見える。



それは、血がくっきりとスタンプの液のようにおされているからだ。






.......空実は、上司を殺して、歩いて斗真の待つ車に走った。







愛する...斗真の元へ。







「.....あれ?」










冷や汗が私のほおを伝った。




心臓が高鳴る。




いや...待て。














「智治!」







赤い足跡が続く先にいつの間にか止められていた
周りのパトカーとは違う車。





降りてきた刑事は、俺の元同僚の





「斎藤。」





斎藤と呼ばれる彼は


俺よりかなり年上だが

小さい頃の夢を叶えたるために警察官になった元同僚。




「いやぁ〜参ったな。これまた、この足跡に血の跡。こんなとこ行くの初めてだぜ」





「......どうして。」





車を降りてこっちへ歩き出す彼に

俺は一歩後ずさりをした




嫌な予感がした。



受け止めることなんかできない
何かを彼がいいそうで





「俺、第二地区のパトロール警官だからさー、こういう殺人事件現場とか調べる感じの任務、初めてなんだよなぁー。」





「....あぁ」





「そうそう!」




俺が低い声で返事を返したのと同じ時
彼は大きく手を叩いて、何かを思い出したように車を指差した。