「キャラメルカフェラテとコーヒーでございます。」
定員さんが席をたつと、早速キャラメルカフェラテを写真に収めた。
「...まーーた撮ってるのかぁ?」
「いいでしょう?第一回デートの記念!」
彼にV字のチョキを作って見せる。
「病院のご飯も毎回撮ってたよな」
「...それはね.......」
「なんだよ?どうしたぁ?ん??」
「ぇっとさぁー...うぅー」
ごにょごにょと喋る私に、また意地悪な顔えと変貌した彼が私の顔を覗き込んできた。
「どうせ俺関係じゃないの?」
「やっ!違うしぃー智治は関係ないもんね!」
なんていいつつ、日記と記されたアプリを開いてみる。
病院のご飯の写真とともに、その日智治に言われた嬉しい言葉がずらりと並んでいた。
この頃の私は、まさか付き合うなんて思ってなかったんだろうな〜。
にやける口元を抑えながら正面を向くと智治と目があった。
「すきあーり!」
彼はそう言うと、私の手から携帯を奪い取って画面をまじまじと見出した。
「だ!だめ!!智治ーーー!!!」
「そこのお嬢ちゃん?暴れたら暴行の容疑で逮捕しますよ〜?」
ダメダメと言った感じで彼は私をいじめてくる。
「暴行なんてしてないし〜」
なんとかして取り返さないとっと思うものの、もう手遅れだ。
彼はポケットから携帯を取り出すと、私の携帯の画面を写真に収め始めた。
「なっ!何勝手な!!」
恥ずかしい、頭が沸騰するよ...。
「第一回デートの記念ですよっ空実さん!」
にこーっと笑う彼に、私はお手上げ。
許すしかなかった。
ほんと、智治ったらいろんなところずるい。
というか、せこい。
刑事だからか、はたまた大人だからか、よくこんなに頭が回るものだ。
こんなに私をいじめるなんて...
嬉しいけど...
嫌ですけど、
それ以上に嬉しいんだな。
そして、許してしまう。