「そうやって言いたい放題してくれてるけどよ、そういうお前らも言い過ぎなんじゃねぇの?」
「富谷…さま…?」
先程発言した女子が、目を見開いて驚きを隠せないでいる。
きっと、富谷遥樹のかったるそうに話すその口調が予想だにしなかったのだろう。
「俺はさぁ、ただちょっとふざけてただけでお前らに庇ってもらう為にあんなこと言ったんじゃねぇんだけど。」
「わ、わたくしは、富谷様を思う一心で…」
「だからそういうのいらないっての。」
ガタン、椅子が音を立てると同時に富谷遥樹がその場に立つ。
が、何事もなかったかのように王子様スマイルを顔に浮かべ、教卓の前まで歩いてきた。
「さ、じゃあ進めよっか!」
その明るい声と王子様スマイルは先程までかったるそうに話していた人とは別人のようだった。
富谷遥樹が何事もなかったかのように振舞うせいか、計画は淡々と進み、結局はコスプレレンタルショップと決まった。