ーーカリカリカリカリ
学校中が鉛筆を走らせている音で一杯になっている。
誰もが机に向かい、真剣に問題に解いている。
そう、今日はいよいよ期末テスト当日。
と言っても今日で終わりなのだけれど。
「……やめ!」
監視の先生の一言で全員が一斉に鉛筆を置く。
テスト勉強を一生懸命したお陰で、手応えはまあまあ。
「汐音、どうだった?手応えは?」
紅葉が嬉しそうに聞いてくる。
「ん、まあまあかな。」
「そう言っていっつも成績いい癖に。」
拗ねているような顔で紅葉が言う。
だって私、頑張ってるし。
自分で言うのもなんだけど。
「紅葉だって嬉しそうに聞いてきたじゃん?
どうだったの?」
「多分、私の中では1番イケてたと思うんだけど。
ほぼ毎日蒼に教えてもらってるから!」
ほぼ毎日とはラブラブですね、お二人さん。
そしてまたこっから紅葉の惚気が始まるのがいつものパターン。
だからここで……
「紅葉、今日クレープ食べに行かない?
駅前に新店舗オープンしたんだって!
今日で期末テストも終わりだしね!
行こう?」
こうやって紅葉の好きなクレープと新しいものを持ち出せば…
「クレープ⁈新店舗⁈
行くに決まってるじゃない!
HR終わったら速攻行くわよ!」
ふぅ、これでひとまず大丈夫。