「んじゃ、俺は帰るから。」



フラフラとした足取りで道を歩こうとする。




そんなんじゃ事故に遭うって!



ーーーグイッ



片手で富谷君の腕を掴み、ベンチに座らせる。



「なんだよ!」



「そんなフラフラで帰れるわけないでしょ⁈
いい⁈ここで待ってて!すぐ戻るから!」




って、大人しく待ってる訳もないんだけど。







ーーー5分後……




家から救急箱を持ってきて公園に戻る。




「富谷君?」



「なんだよ。」



あれ?まだベンチに座ってた。



以外と素直なのかも。



いや、体が限界だっただけだよね。



「ほら、手当てするから。」



手先は器用な方だから、手当ては得意。




「はあ?だからんなもんいらねぇつっただろ!」



「いいから。大人しく手当てされてなさい。
水道まで行くよ?」



傷についてるゴミを洗わないと。



腕を掴んで歩かせる。




「ほら、腕出して。服まくって。」



素直に腕を出す。



「服捲んなくてもいいか?いてぇ。」




「服濡れちゃうよ?」



「いいよ。」



ふっ、可愛い。



いっか。まくんなくても。



本人もこう言ってるし。



ジャーと水道の水を出す。



「もうちょっと腕出して。」



「………ん」



傷口に水をかける。



「…..って!」



「ごめん、痛いよね?もう少しだけ我慢して?」



結構深く傷がついたみたいですごく痛そう。