遥季side

俺は今日一目惚れをしたかもしれない。

いつも通り病院に来て屋上のタンクで空を見てた。


サアアッー、

と強い風が吹いた。

『はあぁー』
「はあぁー」


俺と同じタイミングで下からため息が聞こえた。


風でボサボサになった髪を手櫛で整える女の子がいて、

『ため息つくと幸せが逃げるよ?』

なんて声をかけて見た。




一瞬で彼女に捕らわれた。



白い雪のようなきめ細やかな肌、サラサラで艶のある黒髪、同じく黒い大きな瞳。

可愛いとも綺麗とも言える美少女だった。


始めて女を可愛いと思えた。



俺にはもう彼女しかいなくなった。