そして――次に目を開いた瞬間、景色がなんかいきなり変わっていた。
 



私は森の中に立っていた。
 




光がわずかに差し込む、鬱蒼とした森。
 
上を見上げると、高い木が光を遮っているのがわかる。
 
そして視線を落とせば、広がるのは木、木、木。まさに木の山、森の中。
 



おかしい、何だろうこの展開。
 

さっきまでイケメンといい感じの雰囲気だったはずなのに、何でこんなことになってるんだろう。
 



呆然と突っ立っていると、急にがさっと葉が揺れる音がした。
 


そう、よく考えれば森というのは、なんかヤバい印象があるんですけど。
 

イノシシとか熊とか、イノシシとか熊とか、トラとか、虫とか、いないと思うけど蛇とか爬虫類のものとか…。
 

ああ、想像したら余計に怖くなってきた。
 



きょきょきょきょ。


「っ」


 
なんか変な鳥の声がした気がする。
 



身を縮めながら周囲を見回す。
 

危険な気がする。ここにいるのすごく危険な気がする。
 

でもどうすればいい。今まで普通に公園にいたはずなのに。何だろう、この急展開。
 


泣きそうだ。すごく泣きそう。
 


そもそも学都様はどこいったんだろう。
 

結ちゃんはどうしたんだろう?お母さん、お父さんは?
 

やばい、本気で泣きそう――。
 


思わずしゃがみこむ。