脚を止めたのは一般人立ち入り禁止の廊下で、生徒しか来ない場所。
それでも文化祭で賑わってる教室から離れてるから、わりと静か。
振り返った鈴城は、いつもと違って真剣な顔。
「姫川……話あるんだけどいいか?」
「うん。いいよ!」
いきなりだった。
あたしの目の前には鈴城の肩。
背中に強く回された腕。
………抱きしめられてる。
「好きだ」
「え……ちょっ、鈴城!?」
「好きなんだ……本気で…。初めて教室で見た時からずっと好きだった……」
「じゃあ……あの、千秋達と遊んだ時も…」
「好きだよ。……幼なじみになんか渡してたまるか」
さらに強くなる腕の力。
それと同時に、あたしの胸がドキドキと忙しく音を立てる。
これってあたし………
鈴城に告白された…?
あの男友達で一番仲良くて、優しい鈴城に告白されてる!?
あたしが?
素直に嬉しいけど、信じられないや………。
何も言えなくてつい黙ってしまう。