このドキドキするのはなんで?


相手は生まれた時からずっと一緒で、兄弟みたいに育った橙磨だよ?


はぁ~………意味分かんないし。



でも、さすが文化祭マジック。


普段一切、可愛いって言われないあたしでも文化祭では言ってもらえる。


文化祭の力すごい………。



「ちょっと結香!どこ行ってたの~?」

「あ、ごめん千秋!」

「売り歩き始めるよ~♪鈴城!行くよ!」

「はーいっ」


めんどくさそうに返事した鈴城と、3人で校内を歩いてお菓子の売り歩き!


お金の管理は意外にも成績優秀な千秋に任せて、あたしと鈴城でお菓子を売る。


一番元気に声出してるのは千秋なんだけどね。


「二人とも元気なさすぎよっ!テンション上げて!」

「藤野が元気過ぎるんだろ~!な、姫川?」

「その通り!」

「も~!……あ、日向だ!ごめん!鈴城、お金任せた♪」

「はぁー?」


千秋は売り歩きしてる日向くんと橙磨の元に走った。


橙磨と目合ったけど、すぐにお互い逸らす。


あたし達はただの幼なじみなの。