結局、その日は結香にきつく先帰ってて!と言われて帰れなかったし………
あー………ツライ。
結香に幻滅されたかな?
所構わず女にすぐ手出すような男だって、嫌われた?
ツライ~……結香に嫌われんのヤダ~!!
朝からずっと結香のことで頭がいっぱいで……
待ち合わせしながら落ち着きが無くなる。
「……何してんの橙磨」
「お、おはよー!結香!今日もめちゃくちゃ可愛いね!」
「はぁ?何動揺してるの。……あ、昨日あたしが見ちゃったやつ?」
うわぉっ!図星!
「えいっ」
「痛っ!」
黙り込む俺に結香がしたのは、背伸びをして強めのデコピン。
「あれはあんまり良くないよね~。今度から気を付けなさいねっ?」
「……それ、だけ?」
「うん。それだけ。だって、橙磨の彼女可愛いのはほんとだもん!抱きしめたくなるよね~!」
からかうようにして笑った。
なんだろ………すげー苦しい。
結香にとって俺は完全に単なる幼なじみでしかないんだな。