部活帰りのバスの中。
隣に座ってる結香は真剣にスマホの画面とにらめっこ。
眉間に皺寄ってますけど!
興味半分でスマホの画面をチラッと覗くと、そこにはメイド服の画像がズラリ。
「ゆ、結香……こんな趣味あったのか?」
「は?……ちょ、何勝手に人のケータイ覗いてんのよ!」
「何を真剣に見てるか気になっただけ!」
「勘違いしないでよ~?文化祭で使うヤツだからね」
結香のクラスはカフェやるらしい。
それの副業として、お菓子を安い値段で売り歩くとか。
女子はみんなコスプレしよう、ってことになったらしい。
「で、あたしと千秋はメイドさん。どれにしよっかな~」
「まずお前ってカフェ?お菓子売り歩き?」
「あたしはお菓子売り歩きだよ。それでメイド服は目立つじゃん!」
「目立つな。あっ、じゃあ俺らと一緒に売り歩きするか!俺も似たような仕事だから!」
「結構ですー。もう一緒に回る人決まってるから!」
嬉しそうに笑って見せる結香。
それが、ちょっと悔しくて図星突いてみることにした。
「この間、遊んでた男?」
「さすが橙磨~!鈴城と千秋と回るよ」
よりによってアイツか~………。