怒ってないのかな……?
不安になってつい俯き気味になってしまう。
「どうした?具合わりぃの?元気なくね?」
「ううん!元気だから……大丈夫」
「ふーん。……もしかして、昨日のことまだ引っ張ってんの?」
「そ、そうゆうわけじゃ…」
チラッと横目で隣の橙磨を見ると、お腹を抱えて可笑しそうにしてる。
なっ、なんでぇー!?
「気にしすぎ!それ、結香の悪いとこ」
「気にするよ…!あのあと大丈夫だったの?」
「あぁ、監督に一喝くらって終わった。だから気にすんなって!な?」
「……ごめん。ありがと」
「もういいから!はい!この話おーわりっ」
手をパチンと叩いてニカッと笑う。
その笑顔に……ドキッって。
あっ、有り得ない!!
何この感情!!
「あー!お菓子食うか!」
「食べるー!」
「そう!その笑顔。俺好きだから笑ってろ」
そう言って口に突っ込まれたクッキー。
いつもより甘く感じた。