軋む階段を恐る恐る降りて、非常口が不気味に光を放つ真っ暗な廊下を歩く。
ヤダ……何この合宿所………
本気で怖い!!
「ん?結香じゃん」
「ぎゃぁっ!!!」
「おーれ!橙磨だって~!そんな色気のねぇ声出すなよ~」
「うっ、うるさいな!これでも一応女の子なの!」
ゲラゲラ笑って自販機のボタンを押す橙磨。
ほら、いつもと同じあのパッケージの水。
ふんっと横を向くと宮田さん。
あたしと目が合うなり、濡れた髪の毛を肩にかけてたタオルでごしゃごしゃ拭かれる。
うぅ……宮田さんのタオル濡れちゃう!
「あんまり姫川のことイジメんなよ~橙磨!」
「イジメてないですよ。コイツが、かまってちゃんなだけで」
「ははっ!姫川、案外可愛いもんな。後輩ってのもアリだわ~」
へっ?
ニヤッと笑った宮田さんに不覚にもドキッとしてたら、ぐいっと腕を引っ張られた。
痛いよ……橙磨~……。
「好きなの買ってやるから選べ!」
「いいの!?嬉しい♪」
「まっ、どーせコレだろうけどなっ」
渡されたのはオレンジジュース。
今日の橙磨すごく優しいよ!!
幼なじみ大好きー!