【結香side】
キーンコーンカーンコーン─────
チャイムが鳴り昼休みの合図。
クラスの人達が、ガタガタと席を立ち移動して行く。
あたしの隣の席にも女の子が一人座った。
「結香!昼食べよっ!」
「千秋~食べる!お腹空いた~!」
「ほんと!体育がキツかったもんね」
藤野千秋(フジノ チアキ)はクラスメート兼親友。
黒髪のショートが似合ってて、ちょー活発で明るい。
高校に入学して一番最初に仲良くなった子。
結局、あたしは橙磨と同じ高校に進学した。
「そいえばさぁ~今日から部活見学だね!」
「そうだね。ま、あたしはめんどいから帰宅部かな。千秋は?」
「あたしも!中学ん時に、テニス部でツラかったからもう部活やんない。それに早くお家に帰りたーい♪」
「帰宅部は利点しかないじゃん♪」
実際、あたしは中学3年間帰宅部だったし。
委員会も無所属だった。
今思うと、結構無気力な中学生だったな~って思う。