にぎにぎとあたしの手から冷たさを奪ってく、汗ばんだ掌。
なっ、何よ!!
びっくりし過ぎて振りほどけないし、全身が熱くなるのが分かった。
「お前体温低いもんな。それでかな?」
「はっ、離してよ!手汗つくわ!」
「生意気な言い方にイライラしたから、手汗つけてやるっ!」
「やーめーてーよっ!」
蒸し暑い体育館を駆け回るあたし達に終止符を打ったのは、宮田さん。
あたしと橙磨の前に仁王立ち。
「はーい、お前ら幼なじみで仲良しなのはよーく伝わった。……イチャイチャするなリア充め!!」
「してません!橙磨が手汗つけてくるんです!」
「龍太さん!リア充ってか、俺彼女いますからっ!」
「はいはい。橙磨はシュート練2倍な。姫川は……可愛いから許す♪」
「やったー!!」
可愛くないけど嬉しいー!
ズーンと一気にテンションがた落ちの橙磨の横を鼻歌混じりに通った。
ぶっちゃけ、手握られた時ドキドキしてヤバかったんだよ……。
マジで意味分かんない!