商店の軒先でメロンパンを食べたあと、家の方向にダラダラ歩いてく。


久しぶりに二人で話ながら帰る。


やっぱ結香の隣は落ち着くー!!


気使わなくていいから。


俺が俺らしくいられる一番の居場所。



「メロンパンごちそうさま!」

「いーえ!もう結香とケンカしたくねぇわ」

「なんでー?ケンカするほど仲が良いってよく言うじゃない」

「俺と結香はケンカしなくても仲良いから、ケンカいらねぇ!」

「幼なじみだからね~」


ゆるゆる隣を歩きながら話す結香を歩いて気が付く、いつの間にか出来た身長差。


小学校くらいまでは結香のがデカかったのに。


俺が背伸びたのか、極端に結香の身長が伸びてないのか………


「……ちょっと聞いてる!?」

「え、あ、何?聞いてなかった!」

「もうバカ……。せっかく彼女の話してたのに!」


彼女の話ね……。


愛理のことを考えたら、少し笑顔が作れなくなった気がした。


「あのさ、結香!今の数学の範囲分かるか?今度教えて!」

「は?……うん、いいよー!久しぶりに勉強会しよっかっ」

「するー!結香の家行くー!」


話題を変えても何も聞いてこない。


もう、結香とケンカするのはごめんだ。