つーか、アイツはただの幼なじみ。


なんでこんなに俺がイライラする必要あんの?


結香が誰と付き合おうが関係ねぇじゃん。



バス1本ずらしたせいで、もちろん俺は遅刻。


こんな時に限って下駄箱で遅刻魔兼俺の彼女の愛理に会った。


「あー!おはよ~橙磨!珍しいねっ。お寝坊さん?」

「寝坊した~。お前こそいっつも遅刻して大丈夫かよ」

「えへへ、大丈夫♪今日も部活なのー?」

「部活。今週は休みナシ」

「じゃあ……一緒に帰れないねっ」

「愛理が待ってるんなら一緒に帰るか?」


寂しそうな顔から一変、とびきりの笑顔で俺に抱きついた。


「帰る~♪下駄箱で待ってるぅ」

「うん。じゃ、教室行くか~!」

「行く~!」


愛理から繋いでくる手。


いつも指先は冷たい。


俺いつまでこんなことしてんのかな?


告白されれば付き合っての繰り返しで“好き”って感情忘れたかも。



俺を本気で惚れさせてくれる子っていんの?



「じゃあね~橙磨♪また放課後!」

「またなー!」



今日もまた部活までのめんどくさい授業かー。