必死に下を向いて首を横に振った。
だって、だって………ちゃっかり手首掴まれて橙磨の横を通り過ぎるんだもん!
掴まれた手首が熱い……。
心臓もドキドキと鼓動が忙しくなる。
こんなこと、男の子にされたの初めてで……
鈴城にしたら、あたしが遅いから手首掴んでるだけだと思うけど……
「なぁ、今の誰?友達?」
「うんと~……友達ってゆうか幼なじみ!」
「それでか!彼女連れてんのに妙に馴れ馴れしいな~って思って」
「アイツはああいう性格だからねっ」
「ふーん……そっか。あ!俺らもUFOキャッチャーしよーぜ!」
パッと離された手首。
先に進んでく鈴城の背中。
そうだよ、あたしがさっきは遅かったからだ。
「姫川ー!早くー!」
「あ、うん!ごめん!今行く!」
「この中で何ほしい?」
「ペンギン!ペンギンのぬいぐるみ!」
「りょーかい」と気合い十分で、UFOキャッチャーにお金を入れた。
真剣な横顔にすらドキドキする………。
これじゃあ、あたし期待してるみたいじゃん!