【橙磨side】



「橙磨〜!見て!桜!」

「おーほんとだ。やっと咲いたな!」

「うん!めちゃくちゃキレイ……」



校門から下駄箱までの道を結香と二人並んでゆっくり歩く。


その道は、風で舞った桜でピンク色に染められてる。


正面玄関に飾られてる『卒業式』と書かれた看板。



早いのか遅いのか、よく分からないけど今日は卒業式。


ってことで結香とココに来るのも最後。



「あ〜…もう泣きそう!」

「早過ぎだろ……。まだ、卒業式始まってないし!」

「良いじゃん!あ、千秋〜!!」

「結香ぁぁぁ〜!!」


千秋ちゃん大号泣。


抱き合って号泣してる二人の後ろから、ひょこっと顔を出した……日向!!


「橙磨〜!!久しぶり〜!俺いなくて寂しかっただろ!」

「いや、別に。もう少し留学してて良かったかもしれない」

「嘘つくなよバーカ!」

「日向こそ、その髪色どうにかしろ!」

「は、はぁ!?ア、アメリカンスタイルだよっ!」


動揺し過ぎ。


これ、絶対失敗しちゃったパターンだな……。


赤と金の間みたいな、なんとも言いようのない個性的な髪色。