【結香side】
朝のホームルーム終了のチャイムが鳴る。
あたしはそれと同時に席を立った。
すると、千秋も席を立ちあたしに着いて来てくれる。
「今日もかな。いい加減キレそう」
「お、落ち着いて千秋!多分……大丈夫だから」
二人で来たのは下駄箱。
そして“姫川結香”と書かれた下駄箱を開けると、雪崩で出てくる紙切れ達。
やっぱり今日もか……。
死ね、バカ、男たらし、ぶりっ子、ブス…などなど。
なんて雑に書かれた悪口。
「はぁー……もうヤダ…」
「結香…だから、あたしが一発片山に言って来てあげるよ!」
「い、いいから!京花もきっと……すぐに飽きるでしょ?」
「これ何日続いてると思ってんの?」
「……うん…そうだよね。ははっ…」
これで8日目。
1週間なんて軽く超えた。
朝は橙磨にバレないように、なんとか誤魔化して上靴を出してる。
だから、これを知ってるのは千秋だけ。