街灯に照らされる薄暗い夜道。
結香の少し冷えた手を握って、歩き慣れた道を帰る。
嫌がらせの件あるから不安だな……。
「結香」
「んー?」
「あの時以来、嫌がらせ受けてないか?変なこととか…ない?」
「アレ以来は何もないよ」
「それなら良かった〜……」
結香に何かあったら俺もうダメ…。
自分がやられるより苦しくて痛い。
それくらい俺にとって結香は、大切な存在なんだよ。
「小さいことでも、なんかされたら俺に言えよ?すぐ助けてやるから!」
「…うん!心強い!」
「約束だからな?我慢禁止」
「分かったよ〜。どうして、そんなに厳しいの?」
「結香のこと好きで、大切だから」
素直に俺が言うと、街灯の明かりに照らされた結香の顔が赤くなった。
そうゆう反応もイチイチ可愛いし。
笑顔も俺が守ってあげたい。
好きな子の泣き顔なんて、どんな男も見たくねぇから。
「橙磨…守ってくれる?」
「もちろん」
そんな不安そうな顔されたら、胸が痛む……。
頼むから笑って。