気分が晴れないまま、部室に入ると悠矢がちょうど着替えてた。


真面目な悠矢が時間遅いなんて珍し〜。


「こんにちは、橙磨さん!」

「おう。珍しいな。悠矢いっつも部活来んの早いのに」

「すみません…。色々諸事情があって遅くなりました」

「あ!アレか!コクられた!?」

「すごいっスね、橙磨さん。図星です」


照れくさそうに俯いた。


悠矢って普通にイケメンだし、とにかく人に優しいもんな。


モテて当たり前って感じだ。


「断ったら泣かせちゃって……。女の子って難しいですよね」

「悠矢は、ほっとけるほど人間冷たくねぇもんな」

「は、はい……。……橙磨さんこそ、何かありました?」

「お、俺?まぁな〜」


悠矢の鋭さにびびったから、笑って誤魔化した。


コイツ人見る目ヤバイな〜……。


「今日の橙磨さん、顔疲れてますよ。お先に失礼しますっ」



あ、悠矢って一番怖いタイプだ。