放心状態で泣きそうな顔してる結香をそのまま屋上に連れてった。


授業とか、そんなの今はいらねぇ。


まずは結香の気持ちが大切。



フェンスに寄り掛かった俺の足の間に入れて抱きしめる。


微かに震える肩や手が、結香の切なさを表す。


俺のせいで、こんな………。


「…っ…橙磨……。どうしよ…」

「大丈夫。何があっても俺は結香の味方だから守ってやる」

「ありがとう……」

「今は強がんなくていいから。泣けば?」


その一言をキッカケに、結香が声を上げて泣き出した。


怖いよな………


誰にやられたか分かんねぇんだもん。


俺は黙って抱きしめてやることしか出来なかった。



学校の中にいる間は、とにかく結香の側を離れないようにした。


そして放課後。


京花を呼び出そうとして、アイツのクラスまで行ったら今日は休み。


アイツ、計算しやがったな。