それからの部活では一切、悠矢と関わることはなく……


あたしはまた部室で溜まった記録の整理。


華奈ちゃんに体育館内での仕事を押し付けちゃって申し訳ない……。



ーーガチャ………


遠慮がちに開いたドアの先には、優しく笑う悠矢が立ってた。


忘れ物かな?


「お疲れ〜悠矢」

「お疲れ様です。あの…結香さんと話したくて来ちゃいました!」

「あ、あたしと!?部活戻りなさいよ〜」

「今から20分間休憩なので」


あたしの向かい側の椅子に座って、ロッカーから出した制汗剤を塗る。


柑橘系の良い匂い……。


「結香さん」

「ん?何?」

「この前聞きそびれちゃったんスけど……彼氏とかいますか?」

「何よ〜いきなり!じゃあ、逆にいると思う?」

「はい。めちゃくちゃ可愛いんで」


か、かかかか可愛い!!?


あたしが!?


余裕こいて自分で聞いたくせに、自分で恥ずかしくなってるし……。


悠矢の顔、直視出来ないよ……。