1時間近くかけてやっとまとめ終わった全学年分の記録。
これを職員室にいる監督の所まで運ばなきゃないのね……。
この重さ、正直一人じゃ厳しい。
体育館に行き、華奈ちゃんを見ると記録を書くので精一杯で忙しそうだ……。
うん、ここは暇なあたしが一人で運んで華奈ちゃんの手伝いに行こう。
「重たいー……っ」
多少足元ふらつきながら部室を出ると、横から手が伸びて来て記録表が手元になくなった…!?
橙磨……じゃない。
顔を上げると、そこにはニコッと優しく笑った長身の男の子。
1年生にしてエース格に上り詰めた悠矢くんだ……。
「結香さん、重たそうなので俺が持ちます」
「え、や、いいよ!悪いし……」
「女の子が無理すんの嫌いです」
2個も上の先輩のあたしを女の子扱い……。
ヤバイ……きゅんとした…。
「あっ、で、でも少しだけでも持つからね!半分ちょーだい!」
「じゃ、これ運んで下さい」
渡されたのはたった3枚の記録表。
性格めちゃくちゃイケメンだわ〜……。