家に一人は寂しいけど、自分から橙磨を誘うなんてこと出来ないし……


ガチャッと静かに鍵を開けると、橙磨がぎゅっと後ろから抱きついてきた。


「明日、部活休みだし結香んち泊まりしたいな〜!お泊りデート♪」

「うん!いいよ?来ても!」

「じゃあ泊まるー!」


橙磨からあたしを誘って来てくれた。


こうゆう優しさが、ほんとに大好き。



あたしのお父さんとお母さんは、只今この土日を利用して夫婦で旅行中。


でも橙磨がいるから寂しくないもん。


「結香〜腹減った!なんか作って?」

「なんもないから、チャーハンでもいいー?」

「腹に入れば全然おっけー」

「何よ〜その言い方!」


テレビを見てる橙磨の後ろで、あり合わせで作ったチャーハン。


腹に入れば何でもいい、みたいな言い方してたけど、おかわりしてくれた。


嬉しい!



ご飯を食べてからは、テレビを見てひたすら時間を潰す。


「結香、お前ここ」

「なんで橙磨の脚の間に入らなきゃないの?ソファーでもいいじゃん」

「俺が呼んであげてんだから、素直に来なさい」

「はーい……」


橙磨の脚の間に入って、ぎゅーっと抱きしめられる。


あったかくて寝ちゃいそう………。