そしたら結香は一人で楽しそうに笑って、俺に抱きついてくる。
くっつきたがったり、離れたがったり忙しいヤツ。
可愛いから良いけどね。
「ねぇ、橙磨。無理して笑っちゃダメだよ?ほんとは、まだツライんだよね」
「ツライことツライけど……その辺は切り替えなきゃダメじゃん?」
「だからって、無理しないで。ミス連発したのに副主将…とか、悩んでるんでしょ。きっと」
「うわぁ〜………幼なじみに恐怖心抱いたよ、今」
「ふざけなくていいから……。たまには甘えていいよ」
なんて結香は可愛く笑って、俺に擦り寄ってくる。
それなら今だけ甘えさせて?
「ありがとな〜結香」
「ううん。橙磨が無理しないために、いくらでも」
ぎゅっと抱きしめた結香はあったかくて俺を安心させる。
キスしちゃいたいな……。
首を傾げた結香の頬を両手で包んで、そっと唇を塞いだ。
これから頑張るための充電。
「ヤバイ……とまんない。結香、もう一回する」
「今日だけ、だよ?」
「知ってる」
やっぱり、まだ家に返したくねぇわ。
もう少しでいいから側にいてほしい。