この日の帰り道は、あえて結香は何も言ってこなかった。
気を使ってくれたのか、無駄に喋らない。
ありがと、結香。
次の日は午前中から学校で部活兼反省会。
朝も結香は特に試合のことには触れずに、他の話をして学校まで来た。
昨日のドラマがどうだったとか……ほんと、そんなこと。
体育館で最初は昨日の負け試合の反省会。
その後は、もう引退する龍太さんから新しい主将と副主将発表。
「今日から主将になるのは……大澤日向。副主将が佐倉橙磨。頑張れよ〜」
「ええっ!?俺が主将!?橙磨じゃなくて!」
「だって日向うるせーから口数多そうじゃん?ま、盛り上がてや」
「ただの盛り上げ隊長じゃーん!」
俺が副主将か……
昨日の試合であれだけミス連発したから、ビミョーだ……。
主将になって張り切り出して、うるさくなった日向。
真逆で不安になる俺。
あーダメだ!!
せっかく、副主将って責任持たせてもらったんだから切り替えよう。
「副主将が暗い顔してんじゃねぇぞ!空回りする日向を止めるのが、橙磨の役目じゃん。そうだろ?」