ブラウスのボタンを外してると、結香から甘い声が漏れる。


余裕のない表情と、不慣れな感じが堪らなく好き。


「結香……怖くない?」

「うんっ……手…繋いで」

「ん……可愛い」



真っ白な首筋に噛み付こうとしたその時だった。


ーーガチャ


1階で家のドアが開く音。


嘘だろ……まさか……。



「橙磨〜!帰ってるのかーい!?あと、この靴は結香ちゃん!」



嘘じゃなかった。


母さんのご帰宅です。



「橙磨……どうしよう…」

「とりあえず、ブラウスのボタン閉められる?……最悪。中止だ…」

「あははっ……お母さん帰って来ちゃったね…」


階段を登って来る足音、3回のノックで部屋のドアが開いた。


「いらっしゃい、結香ちゃん♪」

「こんにちは。お邪魔してます!」

「ちょっと橙磨!結香ちゃん来るなら言ってよ〜!駅前でお菓子でも買って来たのに!」

「うるせーよ。早く出てけ」

「アンタ結香ちゃん帰ったら覚えてなさいよ!」


俺、めちゃくちゃツライよ〜!!