前に鈴城とは色々あったけど、それはもう過去のこと。


今は……普通の友達だもん!


あたしも笑い返して「ありがとう」って言った。



鈴城と別れて、あたしは教室に行くと橙磨の背中をバシッと叩く。


「うおっ!結香……お前、めちゃくちゃ可愛いじゃーん!」

「千秋がヘアメイクやってくれたの!似合うでしょ?」

「似合う!なんか、こう……押し倒したくなるわ」

「うっさいな!変態ヤロー!」


今度は頭一発叩いてやった。


人がせっかくオシャレしたのに、意味分かんないよっ!!


拗ねてるあたしの頬をぷにっとつねって、橙磨はケラケラ笑う。


バカにしてる!



「結香〜!ふてくされてないで行くぞ!何食べたい?」

「あたしを食いしん坊みたいに言わないでよ!」

「え〜!昨日、わたあめ食べたいって言ってたの誰〜?」

「うっ……わたあめは食べたいの!」

「はいはい!買ってやるから!」


橙磨優しい!


差し出された手を繋いで歩くことに、幸せを感じる。