大きな花火が次々と、デカイ音とともに打ち上げられる。
だから俺は結香の指をぎゅっと握って振り向かせた。
「キスしていい?」
「何ー!?聞こえないから声張りなさいよっ!」
「ねぇ、結香いい?」
「は?あ、うん……いいよ?」
内容分かんないで空返事したな♪
今はそっちの方が得だけど!
俺を不思議そうに見上げる結香の顎をくいっと引き寄せて、そのまま唇に吸い付いた。
ほんの数秒で唇を離すと、花火の光で見えた結香の顔は呆然状態。
笑える!!
「と、橙磨!い、いきなり何すんのよー!!」
「ごめんね?花火に嫉妬しちゃった♪」
「バカ!もう…許さない!」
「リンゴ飴と焼きそばでどう?」
「タコ焼きも!それなら許してあげる♪」
「不意打ちキスの値段高いな……」
だけど結香は石段から立ち上がって、俺の腕を掴んだ。
花火はまだ終わってないのに、人の波を掻き分けてどんどん進む。
「おーい!結香!」
「お腹空いちゃった♪それに、どっかの誰かさんが嫉妬しちゃうから!」
俺の彼女は一枚上手っぽいけど、可愛くてしょうがない。