控え室でバッシュの紐を結んで試合に出る準備をする。


日向は隣で柔軟中。


「橙磨ー!俺さ〜……一日2校とやる制度やめてほしいさ……。ツラくね?」

「かなりツライ!それに今日は絶対勝たなきゃねぇの」

「まぁ、俺も勝つ気だけどなんで〜?」

「結香と祭り行く約束入ってるから♪」

「このリア充めーっ!!彼女と別れたばっかの俺に言うか〜普通!」


日向は昨日彼女にフラれたらしい。


俺の首に手を回して悔しそうに絡んでくる。


試合前に汗かくわ!!


「日向、橙磨!落ち着け〜!スタメン外すぞ♪」

「うわ〜………龍太さんもリア充じゃん…。俺切ねぇよ!」

「はいはい日向大丈夫だってー。お前、顔はカッコイイからすぐ彼女出来る……はず!」

「自信なさげに言うのやめてもらえません!?」



試合前だけど俺らはそこまで緊張した感じはない。


基本的にいつもこんなゆるゆるした感じで体育館に入ってく。


これも龍太さんの教えで………


“緊張を楽しさに変えられる男になれ。余裕を見せ付けろ。”



龍太さんらしいよね。