ベッドの上で体育座りするあたしの隣に橙磨が座った。


距離近過ぎ………。


セットされてない無造作な髪もカッコイイし……


ふわっと香る石鹸にも心がくすぐられて胸が高鳴る。


「腹立つ橙磨……ドキドキする」

「俺もだよ。なんなら、もっとドキドキしよっか」

「へっ?……ちょっ、何?」

「大丈夫。キスするだけ」


ぎゅっと硬く目を閉じると、唇に伝わる熱。


お互い思いが通じて初めてのキス。


角度を変えられて何度も降り注ぐキスは甘くて耐えられない。


全身の力が抜けて、あたしはベッドに倒れた。


それでも降り止まないキス。



ヤバイ……頭がふわふわして、ボーっとする…。


苦しいのにすごく気分が良い。


「可愛い……。もう限界?」

「んっ……限界、かも…」

「俺はまだ結香とキスしてたいんだけどなー……」

「…と、橙磨…んんっ」


拒否権なく塞がれる唇。


なんか……ドキドキするし眠たい。


寝ちゃ悪いかもだけど、ごめんね橙磨。


ゆっくりと目を閉じた。