急いで結香のクラスまで走った。


運が良ければ、一緒に帰れるかも…。



廊下を歩いてる結香の背中を見付けたから咄嗟に名前を叫んだ。


「結香!!」

「びっくりした……。何?橙磨」


振り向いた結香は、マフラーで口をすっぽりと隠してふわふわの手袋をしてる。


スカートは生真面目か!ってほど長くて寒さが苦手な結香らしい。



「あのさ!一緒に帰ろ!久しぶりに!」

「でも……彼女が…」

「別れた!」

「えっ?」

「たった今、愛理に別れてって言って別れて来た。だから今の俺は完全なるフリー♪」



結香の反応が気になるとこ……。


すると、呆れたように笑って俺の隣に並んだ。


今度は可愛らしく笑いながら。



「たくさんお話聞いてくれるなら、一緒に帰ってあげてもいいよ!」

「もちろん!じゃ、帰るか!」

「あー!帰りメロンパン食べたーい♪」


簡単に頷く俺は甘い。


なんでか知らないけど、俺がこんなに甘くするの結香だけだからね。