ふらふら廊下を歩いてると、ちょうど移動教室から帰って来た結香を発見。


隣を歩いてた千秋ちゃんは俺に気付いてニコッと笑ってくれた。


俺も笑い返して、すれ違った結香の腕を掴んだ。


「へっ……ちょっ、橙磨…!」



昇降口の壁に結香を追いやって、逃げられないように壁に手を付いた。


所謂、壁ドンってヤツ。



「橙磨!何してるの!?よけてよ」

「少し黙って?それとも唇無理矢理塞がれたい?」


その瞬間、バサバサッ!!っと勢いよく教科書が階段へと落ちた。


意識し過ぎ。


「ほんとに……橙磨だよね?ど、どうしちゃったの?」

「それ聞きたいの俺だよ。俺、結香になんかした?」

「………は、離してよっ!もうヤダっ…うっ、ふえっ……っ」

「なんで泣くの?」


ポロポロと涙を落とす。


そんなに俺のこと嫌いになっちゃった?


俺だって傷付くよ。


「結香が泣いてたら俺も泣きそう」

「バカじゃないのっ……」


なんとでも言えよ。


バカだよ、俺は。