痛いなぁ〜と捻った脚をかばいながら部活に行くと、当然橙磨に会ってしまうわけで………。


反射的に目を逸らしてしまった。


「結香?脚痛いの?」

「別に……大丈夫。痛くないから」

「そっか!無理すんなよ」


優しく笑う橙磨に胸が苦しくて痛くて泣きそうになる。


あたしの弱さが嫌だ。


橙磨を避けないと、どんどん感情が溢れて零れそう。


何も言わずにその場を立ち去った。



静乃さんと記録の整理をする。


溜まってく記録を片付けるのも意外と大変で苦労モノ。


「結香。今何か悩んでるでしょ?」

「そう…見えますか?やっぱり……」

「見え見えよ。何で悩んでるの?」

「……友達のことで悩んでて。友達の恋愛相談なんですけど」


“恋愛”か………。


無意識に出て来た言葉は、きっとあたしの心の奥底の本音だ。


「他校の友達が、彼女のいる人を好きになっちゃったみたいなんです。それで……どうしようかなって」

「その友達は消極的なのかしら?」

「はい!結構、消極的ですね…」


もう少し積極的だったらな。