保健室までおんぶしてくれた日向くんは完全に授業遅刻。
悪いことしちゃったな……。
「ごめんね!ありがとう!日向くん!」
「気にすんなって!これで俺の株価少しは上がったしょ?」
「ほんと少しだけねっ?」
「それでも良かった〜。捻挫程度で安心したわ」
「うんっ」
ほんとに良かったよ。
変に愛理ちゃんと揉めたくないから。
保健の先生が手当てしてくれた脚を少し引きずりながら教室へと向かう。
先を歩く日向くんが不意に振り向いた。
「ねぇ、結香ちゃん」
「ん?」
「……それ、ほんとに結香ちゃんが転んでしたケガなの?」
ドキッ。
背中に冷や汗が、たらーっと伝う。
隠し通せ、あたし。
「そうだよ!脚滑らせちゃって!」
「ふーん………そっか。今度からは気を付けなよ?女の子なんだから」
「そうする。ありがとね、日向くん」
「はいよー」
疑われてないよね?