衝撃音とともに目を開けると見事に階段のど真ん中で倒れてるあたし。
どこも痛くない……。
良かった……。
立ち上がろうとすると、ビリッと足首に痛みが走る。
どうしよう……動けない…。
きゅっと目を瞑った時、背後から聞き覚えのある優しい声がした。
「結香ちゃんだぁ〜!どしたの?こんなとこで?」
「日向くん……。階段で転んじゃって…」
「そっかそっか。立てる?」
「ははっ……困ったことに足首捻っちゃったみたいで…」
なんて笑うと、日向くんが座り込むあたしを抱えて立ち上がらせてくれた。
距離……近いっ!!
「保健室行こっか?おんぶしてくわ!ん、乗って?」
「いやいや!あたし重たいからいいよ!歩けるし!」
「いーから!黙って乗りなさーい♪」
「きゃー!!待って!日向くんストップー!」
「何さぁ!橙磨の方がよかった〜?」
きっとニヤニヤしながら話す彼に何も悪気はない。
あたしは勢い良く首を横に振った。