勉強のことなんか本当は考えたくない。
進路とか、将来の夢とか、よくわからないし。

そういうことなにも考えず、ただただこの青に身体を委ねていたい。



それくらい、大好きな夏なのに。
高校生活最後の、夏。



暗いことを思い出してしまって、思わずアスファルトに視線を落とした。

太陽の熱が反射して、熱い、暑い。




真上からじりじりと照らしてくるから、短い影が、ちょっと先を歩いていく。


......こんなふうに、もう道が決まっていたらいいのに。


そうしたら、心置きなく夏に浸れるのに。