小走りで教室を出て行くあいつ。
自転車の鍵は、黄色い手の中に握りしめられている。


あいつはどんな顔で戻ってくるだろう。

きっと、この暑い中をものすごいスピードで自転車を漕いで、汗だくの笑顔で戻ってくるだろう。



去年、なにを飲んでいたっけ。



財布を持って、自販機へ向かった。

なんだか頼もしくなった、あいつの背中を思いながら。



【自転車】