せっせと段ボールを黄色に塗っている。
あれはたぶん、ヨーヨー釣りの屋台の屋根だ。


いつも部活優先のくせに
大会だって近いのに
夏休み終盤になって、ふらっと突然現れた。



暑い、とも、疲れた、ともいわず、黙々と黄色に塗っている。

ほんとに、いつものあいつと全然ちがう。

普段はもっと、なんていうか......

ふざけてて、どこか他人事で、自分優先なのに。



練習いけよ、大会、最後でしょ。

真剣な眼差しに、言葉が出なかった。