「リー」



外で待っていた金髪の男が声をかけると、茶髪の男は首を振って見せた。

四人はそれぞれ剣をおろし、鞘に納める。

金髪の男も中に入るために小屋に近づく。









「入るのか?」
「っ」







急に耳元で声がして、金髪の男は振り返った。


しかし、背後には何もなかった。辺りを見回したが、特に何もいない。

茶髪の男が「殿下?」と不思議そうに問いかけてきたので、男は何でもないと足を進める。






「入るのはやめた方がいいぞ」






しかし、また声がする。



男はまた足を止めて、視線だけを周囲に向けた。



やはり視界には連れの四人以外に何も確認できない。