今日だけは。


今日だけは何にも邪魔されたくない。


もしも私の体が悲鳴をあげているんだとしても。


今日だけは絶対に乗りきって見せる。


「ちょっと貧血気味・・・・なのかな?どっかお店に入ろうか」


私の提案に、颯人が頷いた。




「いらっしゃいませー」


お店の仲は温かかった。


「私、ホットココア」


「じゃあ、俺はコーヒー」


「かしこまりました」


店員さんがいなくなってから、颯人が急に深刻な顔になる。


「颯人・・・?なんだか顔が怖いよ?どうしたの?」


「お前、もう限界なんだろ」


「へ?」


「体の事だよ」


「・・・・」


やっぱり、気付かれてたか。


「さすが颯人。なんでもお見通し、か」


「何で言わねーんだよ」


「今日は大切な日だもん!今日だけは・・・・・絶対に・・・何があっても乗り越えるから・・・・・・」