颯人は渋々ながらも、ちゃんと追いかけてきてくれた。
「うふふ~、ここまでおいでぇ~」
ノリで言ってみたその言葉。
「ぶはっ!なんだそれ」
「浜辺で追いかけっこつったらこの言葉でしょ!」
「古っ!」
「ななっ・・!いいじゃん!」
言い合いながらも、追いかけっこは続いてく。
と、急に。
視界がぐらついた。
「瑠璃!」
すぐさま駆け寄る颯人。
何・・・?
何が起きたの?
私を抱きとめる颯人。
私、倒れそうになったの?
「大丈夫か?」
「うん」
なんでこんな日に限って・・・。
「大丈夫だから、心配しないで。ね?」
元気いっぱいを表現するために、精一杯笑って見せた。