高校2年生、春。

親友の愛には春がしっかりきていた。
でも私はというと、

相変わらず、干物女。
いやもう5月だし、春というよりもう夏だよね。

まぁいいや。

「まぁいいや」って奈津美の口癖。

こうやって今まで、何でも妥協してきた。

私の人生って、なんなんだろう。
そんな風に思ったら、きりがなくて。

いつからだろう。
私、心から笑えてないの。

小さい時はあんなに無邪気に笑って
走って、転んで、でもまた立ち上がって、

何も知らない子ども時代、たまに、うらやましくなる。