あたしが15歳の誕生日を迎えた日、
夢にあの頃共に暮らしていたお姉さまたちが現れた。
『人魚だった頃の記憶があるあなたは、で人魚だと認識されてしまった。人魚の世界の掟は絶対。自分から正体を明かすのはもちろんのこと、自分が好きになった人が他の人と本当の恋をしたら泡になるわ。』
私たちの力ではどうすることも出来なかった、
と最後に一言添えて消えていった。
頭のどこかで分かっていたことだった。
人間の世界では人魚は伝説でしかない。
それなのに
「本当は、人魚はいるの。あたしがそうだったから」
なんてことを言われたら、
地上の人は放っておくはずがない。
海を徹底的に調べ尽くすと思う。
そうしたら人魚が住む場所がなくなってしまうし、
捕獲され、最悪の場合殺されてしまうかもしれない。
だからあの頃から、
地上に正体がばれたらいけないと言われ続けていた。