「二度とこんな事するな、望美にも手を出すな」

鋭く睨みつける奈津の姿を見たファンクラブの子たちは、怯えながら裏庭から出て行った。

「な、奈津……。ありがとう」

少しだけ、顔が合わせづらかった。

「そんなことより、頬大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ。こんなの慣れてるから、直ぐに腫れも治まるし」

「慣れてるって……。大丈夫なわけないだろ、少し腫れてるぞ!?」

ポケットからハンカチを取り出した奈津は、そっと優しく血を拭ってくれた。

「あ、ありがとう。でも、何で私がここに居るって分かったの?」

「べ、別に、ただ通りかかっただけだ」

気のせいかな?

奈津の顔少しだけ赤くなってるような。